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目立つパワハラ 精神障害の労災最多
2023-08-10

 厚生労働省は、仕事が原因でうつ病などの精神障害を発症し、2022年度に労災認定を受けたのは710件だったと発表しました。前年度より81件多く、統計を始めた1983年度以降の過去最多を4年連続で更新しました。このうち自殺は62件で前年度より12件減り、自殺未遂は前年度と変わらず5件でした。原因別ではパワハラが147件と最多で、改善が進まない職場の実態が改めて浮き彫りになりました。

 精神障害の労災請求は前年度比337件増の2683件で、過去最多。認定率は35・8%でした。厚労省の担当者は「精神障害も労災となることが知られてきた結果ではないか」と話しています。

 原因別では、パワハラに次いで「悲惨な事故や災害の体験、目撃」の89件、「仕事内容や仕事量の変化を生じさせる出来事があった」の78件が多くありました。「同僚などによる暴行、いじめ、嫌がらせ」や「セクハラ」も目立ちました。

 業種別では、社会保険・社会福祉・介護が85件で最も多く、医療79件、道路貨物運送37件と続きました。

 過重労働による脳・心臓疾患で労災認定されたのは、前年度から22件増えて194件となり、うち死亡(過労死)は前年度より3件少ない54件でした。業種別では道路貨物運送の50件が最多でした。

 認定されたケースの時間外労働は、発症前2~6カ月間の月平均で「60時間以上80時間未満」が最も多くありました。労災認定では月80時間の「過労死ライン」が重視されますが、厚労省は21年9月に基準を見直し、不規則勤務など労働時間以外の負荷も考慮することを明確化しました。担当者は「新基準で認定の幅が広がった」と分析しています。

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